こんにちは。ライターのエポニムです。
ネットで物を買ったときや引越しのときなどに、段ボールが使われているのをよく見かけます。
しかし、この「段ボール」という名前に対してみなさんはなにか違和感を感じませんか?
段ボールの断面を見ると段ができているのがわかるので、「段」という語が名前に入るのは理解できます。
しかし、「ボール」についてはまったくもって理解できません。実物の段ボールのどこにボールの要素があるというのでしょうか。
というわけで、今回はそんな段ボールの名前の由来について紹介していこうと思います。
「段のついたボール紙」という意味から
そもそも、段ボールが最初に日本に入ってきたのは明治時代頃であったといわれています。
当時はまだ「段ボール」という名前がなかったため、外国から少量入ってきたその紙製品はしわしわ紙、なまこ紙などと呼ばれていました。
それからしばらくして、井上貞治郎という人物が外国から輸入された段ボールをまねた「繰りっ放し」という紙を作る機械を開発しました。日本ではこの機械の開発によってようやく段ボールが製造できるようになりました。
そして、この繰りっ放しを売るにあたって新しく名前を考えることになり、しぼりボール、なまこ紙、波型ボール、弾力紙、波型紙、波状紙などさまざまな名前の候補が挙げられました。
最終的には、そのたくさんの候補の中から「段のついたボール紙」であることがわかりやすく、語呂もいいということで「段ボール」という名前が採用され、現在では一般名詞として使用されるまでに浸透しました。
さらに、これは余談ですが、厚紙のことを表す「ボール紙」という言葉は英語で厚紙を意味する「board paper」のboardの部分がなまって「ボール」となって生まれたといわれています。
おわりに
「段ボール」という語の「ボール」の部分が球や円ではなくボール紙のことを表していたというのは意外だったのではないでしょうか。
みなさんも身近なものの名前で違和感を感じているものがあったらこの機会に調べてみてはいかがでしょうか。
参考文献