こんにちは。ライターのエポニムです。
みなさんは自動販売機に投入された硬貨がどのような仕組みで区別されているかご存知ですか?
紙幣と硬貨の区別はともかくとして、硬貨はそれぞれの大きさも重さも似ているため、仕分けるのがとても難しそうに思えます。
今回はそんな難しい判定を自動販売機がどのようにおこなっているのかについて解説していこうと思います。
電子式センサーで見分ける
結論から言いますと、現在の自販機では投入された硬貨を電子式センサーによって認識し区別しています。
まず、硬貨投入口の奥には電気が流れているコイルがあり、そこからは常に磁力が出ています。ここを硬貨が通過するとわずかに磁力が乱れるのですが、実はその乱れ方は硬貨の大きさや材質によって若干異なっています。
自動販売機ではこの磁力の乱れ方の微妙な違いを利用することによって硬貨の種類を見分けています。
このシステムによる弊害もある
一方で、現在使われているこの硬貨判別機能にはデメリットもあります。
上で説明したように硬貨の判定にはとても繊細な機能が使われているため、硬貨がすり減っていたり、表面に大きな傷があったりすると正しい硬貨として認識されません。
「コイン投入口に何度入れ直しても硬貨がおつり口から戻ってきてしまう」という自販機あるあるの現象は、この繊細さがゆえに起きてしまう誤作動です。
残念ながら、この誤作動については現在有効な対策は発明されていません。
さらに、過去にはこのシステムを悪用した変造硬貨による被害が発生したこともありました。
このシステムでは硬貨の材質と大きさしか判定できないため、韓国の500ウォン硬貨を削って日本の500円硬貨の大きさに近づけることによって自動販売機で偽の500円硬貨として使用する、という犯罪が横行するようになりました。
この変造硬貨による被害が多発したため、日本では2000年に500円硬貨のデザイン変更が行われ、それ以降偽造硬貨による被害は起きづらくなりました。
おわりに
この記事では硬貨の判別方法について紹介しましたが、実は紙幣にはまた別の見分け方が用いられています。
今回興味を持った方はこの機会に紙幣のシステムについても調べてみてはいかがでしょうか。