免税店はなぜ税がかからない?TAX FREEの仕組みと免除の条件を解説

街を歩いていると「免税店」や「TAX FREE」の看板を目にすることがありますよね。
なんとなく“お得そう”な雰囲気はあるけれど、実際に何がどう免除されているのか、よくわからないという人も多いのではないでしょうか。
ここでは、そんな「免税店」のしくみについて詳しく解説していきます。
「免税」とはどんな税が免除されるの?
まず知っておきたいのは、日本にある免税店には大きく分けて2種類あるということです。
- 空港型免税店(Duty Free Shop)
- 市中免税店(Tax Free Shop)
それぞれ、どのような税が免除されるのか、どんな人が利用できるのかが異なります。
空港型免税店:消費税・関税など広範囲に免除
空港型免税店は、成田や関空などの国際空港の出国手続き後エリアに設置されている店舗です。
この場所は法律上「国外」と見なされているため、日本の税法が適用されません。
そのため、以下のような複数の税金が免除されます:
- 消費税
- 関税
- 酒税
- たばこ税
日本人・外国人問わず、出国する人なら誰でも利用可能なのが特徴です。
市中免税店:消費税のみが免除される
一方、街中にある「TAX FREE」表示のある市中免税店では、消費税のみが免除される仕組みになっています。
これは、日本の消費税制度が「消費地課税主義」を採用しているためです。
つまり、商品やサービスが日本国内で“消費”されない限り、課税されないという考え方です。
観光客が購入した商品は、「輸出されるもの」とみなされるため、消費税がかからないのです(消費税法第7条・第8条)。
ちなみに、市中免税店の正式名称は「輸出物品販売場」とされています。
市中免税店を利用するには条件がある
市中免税店では誰でも免税が受けられるわけではなく、いくつかの条件を満たす必要があります。
利用できる人:非居住者(一定の外国人・短期滞在者)
- 日本に住んでいない観光客(短期滞在)
- 日本人でも「国外在住で一時帰国中」の場合は対象になることも
逆に、外国人であっても日本国内で6か月以上滞在している場合は対象外になります。
利用条件:一定額以上の購入が必要
- 消耗品:5,000円以上~50万円以下の購入が対象
- 一般物品(衣類・電化製品など):5,000円以上
さらに、市中免税店には以下の2種類の形態があり、それぞれ手続き方法が異なります。
- 一般型:単独の店舗。5000円未満の買い物では免税不可。
- 手続委託型:商店街やモールなど。複数店舗での購入額を合算でき、カウンターで一括手続きが可能。
日本人も使える“空港型市中免税店”も登場
近年では、日本人も免税の恩恵を受けられる新形態の店舗が登場しています。
それが「空港型市中免税店」です。
ここでは、30日以内に海外へ出国する予定があれば、日本人でもパスポート提示で免税購入が可能になります。
- 都内を中心に複数展開
- 出国前なら何度でも利用OK
- 手続きが簡単で、免税対象商品も豊富
また、沖縄県では「特定免税店制度」が実施されており、国内旅行でも免税商品を購入できる特例地域として注目されています。
街中の「TAX FREE」に注目してみよう
訪日外国人観光客が増え続ける中、免税店の存在はインバウンド消費を支える重要な仕組みとなっています。
- 2024年の訪日客数:約3600万人
- 同年の免税店数:約6万店舗
今後も多様な店舗形態や商品展開が進むと見られ、免税店はさらに身近な存在になっていきそうです。
海外旅行の際や、街中で「TAX FREE」や「Duty Free」の看板を見かけたら、ぜひ中をのぞいてみてはいかがでしょうか?





