今私はどこにいるの?圏外でもGPSが使える仕組みを徹底解説

山や海、地下街などでスマホが圏外になっても、地図アプリは現在地を示してくれることがあります。
なぜ電話やネットがつながらなくてもGPSは使えるのでしょうか?
この記事では、GPSと携帯通信の違い、その仕組みをわかりやすく解説します。
携帯の通信とGPSは別の電波
スマートフォンは「通信」と「位置情報」で異なる電波を使っています。
携帯電話の通話やインターネット接続は、通信会社が設置する「基地局」とのやり取りによって成り立っています。
一方、GPSは宇宙にある人工衛星から一方的に発信される電波を受信する仕組み。したがって、基地局が存在しない圏外でも、空からの電波を受け取れる場所であればGPSは利用できるのです。
GPSが位置を特定する仕組み
GPSは人工衛星から送られてくる「衛星の位置」と「電波が発信された時刻」の情報を利用します。電波は光の速さで届くため、受信機はその到達時間を計算して衛星との距離を割り出します。
ただし、1つの衛星だけでは位置を決めることはできません。3次元の位置(緯度・経度・高度)に加えて受信機の時計の誤差を補正するため、最低4つの衛星の情報が必要になります。そして実際に位置を計算しているのは人工衛星ではなく、スマホやカーナビ側の受信機です。
携帯通信との違い
携帯電話は近くの基地局と無線通信を行い、その先でインターネットや他の基地局とつながります。docomoだけでも数十万局の基地局が国内に設置されており、これが届かないエリアが「圏外」となります。
一方、GPSは衛星から直接電波を受信するため、基地局の有無に左右されません。地下やビルの谷間など空からの電波が遮断される場所では受信が難しいこともありますが、原理的には世界中どこでも利用できます。
技術に支えられる便利さ
GPSが通信回線とは独立しているからこそ、私たちは圏外でも位置を確認できます。何気なく使っている地図アプリの裏側には、人工衛星と高度な計算技術が支えています。
「当たり前のように使える便利さ」こそが技術の恩恵。その仕組みを知ることで、改めてGPSのありがたさを実感できるのではないでしょうか。