高層ビルの屋上にある巨大クレーンはどうやって載せる?仕組みと解体方法を解説

街中を歩いていて、高層ビルの屋上に巨大なクレーンがあるのを見て驚いたことはありませんか? あの大きな機械をどうやって建物の上に載せているのか、不思議に思う人も多いでしょう。
この記事では、タワークレーンが屋上に上がる仕組みと、最後にどうやって解体されるのかを解説します。
タワークレーンの仕組み
高層ビル建設で使われる巨大クレーンは「タワークレーン」と呼ばれます。このタワークレーンは、ビルが高くなるにつれて自力で上に伸びていく仕組みを持っています。その方法には大きく分けて2種類あります。
マストクライミング方式
地上に台座を設置し、クレーンを支える「マスト(支柱)」を順次継ぎ足していく方式です。建物の外側に設置されるため、組立や解体が比較的容易なのが特徴。外観工事が進むにつれてクレーンも高く上がっていきます。
フロアクライミング方式
建物内部の強度を利用し、台座ごとクレーンを持ち上げていく方式です。主に鉄骨造の高層ビルで採用され、限られた作業半径でも効率よく運用できる点がメリットです。内部から資材を吊り上げられるため、より狭い敷地でも対応できます。
クレーンはどうやって解体する?
マストクライミング方式では、建設時と逆の手順でクレーンを下げながらマストを外していきます。
一方、フロアクライミング方式はそのまま下ろせないため、特殊な「解体用クレーン」が必要になります。
- タワークレーンで解体用クレーンを屋上に吊り上げて組み立てる
- 解体用クレーンでタワークレーンを分解し、部品を地上へ降ろす
- 残った解体用クレーンはさらに小型化し、最後は人力で運べるサイズまで分解してエレベーターで搬出
この一連の流れは「親亀・子亀・孫亀方式」とも呼ばれ、1週間ほどで完了します。
赤白ツートンカラーの理由
多くのタワークレーンが赤と白に塗られているのは、航空法による規定です。
高さ60m以上の構造物は、航空機の安全のために赤白のツートンカラーで塗装する必要があるとされています。東京タワーやスカイツリーと同じ理由で、タワークレーンもこの配色になっています。
まとめ
タワークレーンは巨大でありながら、自力で成長し、解体して再利用できる合理的な仕組みを持った建設機械です。そのおかげで高層ビルが次々と建ち並ぶ現代の都市が支えられています。
次に街でタワークレーンを見かけたら、その仕組みや解体の工夫を思い出してみると、建設現場がさらに興味深く感じられるでしょう。