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豆知識

濡れた紙がシワシワになる理由とは?セルロースと水の関係を解説

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本やノートをうっかり濡らしてしまうと、乾いてもシワシワになって元通りにはなりません。誰もが経験したことのある現象ですが、なぜこうなるのでしょうか? 実は紙を作るセルロースと水分子の結びつきに秘密があります。この記事では、紙の製造過程から「濡れるとシワになる仕組み」までを分かりやすく解説します。

紙を作るセルロースとヒドロキシ基

紙の主成分は植物繊維で、特にセルロースという物質が中心です。セルロースはグルコースが直線的につながった高分子で、**ヒドロキシ基(-OH)**という水と結びつきやすい部分を多く持っています。このヒドロキシ基の性質が、紙の強度や「濡れるとシワになる現象」に大きく関係しています。

紙の製造過程と繊維の並び

紙は「繊維を水に分散させてシート状にし、乾燥させる」ことで作られます。

  1. 水を含んでドロドロになる
    セルロースのヒドロキシ基が水分子と水素結合を作り、繊維同士が水を介してゆるく結びつきます。
  2. 繊維をシート状に並べる
    製紙機械でプレス・引き延ばしを行う過程で、繊維の多くは進行方向に平行に並びます。この方向性は「紙の目」と呼ばれ、破れやすさにも関係します。
  3. 乾燥させて固定する
    水が蒸発すると、セルロース同士が直接水素結合を作り、強度のあるシート状の紙が完成します。

紙が濡れるとシワになる理由

紙が濡れると、セルロース同士をつないでいた水素結合の間に水分子が入り込みます。これにより、元の結合がほどけてしまうのです。

乾燥してもすべてが元に戻るわけではなく、繊維の位置や結びつきが微妙にずれるため、表面が不均一になってシワシワになってしまいます。

まとめ

  • 紙はセルロースの繊維が水素結合でつながってできている
  • 濡れると水分子が入り込み、セルロース同士の結合が壊れる
  • 乾いても完全には元に戻らず、シワが残ってしまう

身近な現象ですが、実は化学的にもしっかり説明できる「濡れた紙のシワ」。次に本を濡らしてしまったときは、セルロースと水分子のやり取りを思い出してみると面白いかもしれません。

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