タマネギを切ると涙が出るのはなぜ？原因と防ぐ方法を解説

料理の定番野菜・タマネギ。便利な食材ですが、切るたびに涙が出て困るという人も多いでしょう。実はこの涙にはきちんとした科学的な理由があります。本記事では、タマネギで涙が出る仕組みと、防ぐための工夫を紹介します。

涙が出る原因は催涙物質

タマネギを切ったときに涙が出るのは、syn-プロパンチアール-S-オキシドという催涙物質が発生するためです。

• 包丁で細胞が壊れる
• 細胞内の酵素が外に出る
• その酵素が化学反応を起こし催涙物質を生成
• 物質が気化して目を刺激 → 涙が出る

という流れで涙が誘発されます。

鍵となる酵素「LFS」

この反応に関わる酵素の一つが**LFS（lachrymatory factor synthase）**です。
ハウス食品の研究グループが21世紀になって発見し、2013年にはイグノーベル賞を受賞しました。

LFSの働きを抑えられれば、風味を保ちながら涙が出ないタマネギの開発も可能と考えられています。

涙を防ぐ方法

完全に防ぐのは難しいですが、催涙物質の発生や目への刺激を減らす工夫があります。

• 目に入らないようにする → 水泳用ゴーグルを着用する
• 気化を抑える → タマネギを冷蔵庫で冷やしてから切る
• 水で抑える → 冷水に浸けてから切る

これらを試すことで、涙をぐっと減らせます。

まとめ

• タマネギで涙が出るのは、酵素が作る催涙物質によるもの
• 鍵は酵素「LFS」
• 冷やす・水に浸ける・ゴーグルを使うなどで対策可能

科学を知ると、日常のちょっとした不便も工夫で解消できるかもしれません。次にタマネギを切るときは、ぜひ実践してみましょう。