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豆知識

なぜルーズリーフは穴数が規格化されているのか?綴じ具の互換性

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学校やオフィスでおなじみのルーズリーフ
どのメーカーの用紙を買っても、同じバインダーに綴じられるのは当たり前のように感じますが、
実はそれ、偶然ではありません。
ルーズリーフの穴数や間隔は、「綴じ具の互換性」を保つために統一された規格に基づいているのです。

JISで定められた“穴ピッチ”の共通ルール

ルーズリーフの穴数は、用紙サイズごとにJIS(日本産業規格)で明確に定められています。
具体的には以下のような規格が存在します。

サイズ穴数ピッチ(穴と穴の間隔)規格番号
A4サイズ30穴9.5mmJIS Z 8303
B5サイズ26穴9.5mmJIS Z 8303
A5サイズ20穴9.5mm同上

つまり、日本国内で販売されるルーズリーフは、
穴の数も間隔もすべて統一されており、
どのメーカーのバインダーでも互換性が保たれるようになっているのです。

“綴じ具”との連携が最優先

ルーズリーフは、用紙そのものよりもバインダー側の構造に強く依存しています。
もしメーカーごとに穴の位置が違えば、

  • 他社製リーフが入らない
  • 穴がズレて破れやすい
  • ページが回らない
    といった問題が起こります。

そのため、JIS規格によって「すべての綴じ具で共通に使える」ように
穴位置・直径・ピッチまで厳密に統一されています。

“9.5mmピッチ”が採用された理由

穴の間隔(ピッチ)を9.5mmにしたのは、
強度と操作性のバランスを取るためです。

ピッチを狭くすればページが安定し、破れにくくなりますが、
綴じ具のリング数が増えすぎて開閉が重くなります。
逆にピッチを広くするとリングが少なく軽くなる一方で、
ページが“波打つ”ように動いてしまいます。

9.5mmという値は、

  • A4〜A5までのサイズ展開に対応しやすく
  • ページの回転が滑らかで
  • 強度も確保できる
    という点から、実験的に導き出された最適間隔なのです。

海外規格との違い

海外のルーズリーフは、

  • アメリカ:3穴(8.5インチ用)
  • ヨーロッパ:2穴または4穴(A4用)
    といったように、国や地域ごとに異なる規格が存在します。

日本の26穴・30穴式は、細かい穴でページをしっかり支える構造が特徴で、
多枚数の差し替えや書き込みに強いのが利点。
このため、**日本独自の学習文化(大量のノート化・分野別整理)**にも非常に適しているのです。

穴数統一が“学用品の自由度”を支えている

規格化のおかげで、

  • 好きなメーカーの紙を選べる
  • デザインリーフや罫線の種類を自由に組み合わせられる
  • 古いリーフを新しいバインダーに移行できる
    といった自由度が生まれました。

もしこの共通仕様がなければ、
メーカーを変えるたびにバインダーごと買い替える必要があり、
ノート文化そのものが分断されていたかもしれません。

まとめ

ルーズリーフの穴数が規格化されているのは、
どのバインダーにも合うよう互換性を保証するためです。
JISによって穴の数・位置・ピッチが統一された結果、
私たちはメーカーを超えて用紙を組み合わせ、自由にカスタマイズできるようになりました。
この何気ない「同じ穴」こそ、学びと整理の自由を支える標準化の成果なのです。

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