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豆知識

なぜICカードは一瞬で決済できるのか?FeliCaと近接通信の仕組み

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駅の改札を「ピッ」と通り抜ける瞬間、
わずか0.1秒で決済が完了していることをご存じでしょうか?
ICカードは財布に入れたままでも読み取られるほど高速・正確に動作します。
では、なぜこんなに一瞬で通信や決済ができるのでしょうか?
そのカギを握るのが、日本発の技術「FeliCa(フェリカ)」です。

電池がないのに動く?ICカードの“給電の仕組み”

多くの人が驚くのは、「ICカードには電池が入っていない」という点です。
実は、改札機やカードリーダーが発する電磁波(13.56MHz)によって、
カード内のICチップが電力を得ています。

この仕組みは「電磁誘導」と呼ばれ、
リーダーから発せられた電波がカード内のコイルに電流を生み出し、
その電力でICチップが動作するというわけです。
つまり、触れる瞬間に給電と通信が同時に行われているのです。

一瞬で通信できる秘密:FeliCaの超高速処理

SuicaやPASMOなどの交通系ICカードで使われているのが、
ソニーが開発した非接触IC技術「FeliCa(フェリカ)」です。

FeliCaの特徴は、圧倒的な通信スピード。
1回の通信にかかる時間はわずか0.1秒以下
これは、改札を歩きながら通過しても認識できるレベルの速さです。

また、FeliCaは一度のやり取りで「認証 → 残高確認 → 更新 → 完了」までを
一括処理できる構造になっているため、通信回数が極端に少ないのもポイント。
これにより、処理時間を最小限に抑えつつ、セキュリティも高く保てます。

「近接通信(NFC)」との違い

ICカードの世界では、似た技術として「NFC(Near Field Communication)」もよく聞かれます。
NFCはFeliCaを含む広い概念で、主に次の3方式に分類されます。

方式主な用途通信速度
FeliCa(Type F)Suica、PASMOなど交通系約212~424kbps
Type A / Type Bクレジットカード、スマホ決済(PayPayなど)約106kbps

FeliCaはこの中でも特に高速で、
スピードと安全性を両立した日本独自の方式」として発展してきました。

0.1秒の裏側にある“多層のセキュリティ”

非接触決済が高速でありながら安心できるのは、
FeliCaのチップ内部で暗号処理が瞬時に行われているからです。

カードとリーダーは通信のたびに、

  • 相互認証(カードが本物か?リーダーが正規か?)
  • データの暗号化(盗聴・改ざん防止)

を自動で実施しています。
これを超高速で処理できるのも、FeliCaの優れた設計のおかげです。

海外では普及しにくい?FeliCaの“日本特化”な理由

FeliCaは日本の鉄道インフラや電子マネー文化に最適化されていますが、
海外ではNFC Type A/Bが主流です。
理由は、FeliCa対応のリーダー機器が少なく、
ライセンスコストも高かったためです。

しかし近年は、スマートフォンが複数方式を兼ね備えるようになり、
FeliCaもグローバル決済の一翼を担いつつあります。
Apple PayやGoogle PayでもFeliCa対応が進み、
日本独自技術が世界標準へ近づいています。

まとめ:ICカードが“一瞬で決済できる”のは理由がある

ICカードの「ピッ」は魔法ではなく、

  • 電磁誘導による給電
  • FeliCaの高速通信
  • 暗号化による安全処理
  • 近接通信による瞬時のデータ交換

という、精密な技術の組み合わせで成り立っています。
わずか0.1秒の中に、
「安全」「スピード」「省エネ」という3つの要素が凝縮されているのです。

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