当サイトの収益&PV数公開中!
豆知識

なぜ雛あられは“色ごとに意味”があるのか?方角と五行思想

mixtrivia_com

3月3日の桃の節句に欠かせないお菓子、雛あられ。
白・ピンク・緑・黄色——と色とりどりですが、
実はこの“色”には、自然界の調和と子どもの成長を願う深い意味が込められています。
雛あられは、見た目の華やかさだけでなく、古代の五行思想と季節観を映した象徴的な菓子なのです。

雛あられは「ひな祭りの供え物」から生まれた

雛あられの起源は、江戸時代の「雛の国見せ」という行事にあります。
ひな人形を外へ持ち出して春の景色を見せ、
その際に持参したひな人形用の供え菓子が「雛あられ」の原型でした。

ひな祭りは、古代の「上巳(じょうし)の節句」が由来。
水辺で穢れを祓う行事が、女の子の健やかな成長を願う儀式へと変化しました。
その供え物として、自然の恵みを象徴する穀物(米)を使い、
五穀豊穣と無病息災を祈ったのです。

四色の雛あられは“春夏秋冬”の象徴

現在の雛あられは、地域や製法によって異なりますが、
代表的なのは白・ピンク・緑・黄の四色
この四色には、それぞれ四季や自然のエネルギーを表す意味があります。

象徴する季節意味
雪・純潔・清らかさ
ピンク(赤)生命・桃花・魔除け
草木・健康・成長
大地・実り・安定

つまり、四色の雛あられを食べることは、
一年を通して健やかに過ごす願いを込めるということなのです。

五行思想に通じる“色の力”

この四色には、中国の五行思想(木・火・土・金・水)の影響も見られます。
五行は自然界のすべてを五つの要素に分類する思想で、
それぞれに色と方角が対応します。

要素方角象徴
成長・発展
生命力・情熱
中央安定・豊穣
西清浄・純化
黒(青)冷静・再生

雛あられの色は、この五行の「木・火・土・金」を取り入れたものとされ、
自然の調和を食を通じて願う象徴となっています。
つまり、子どもが自然の力に守られて健やかに育つようにという祈りが込められているのです。

「桃の節句」と“色”の結びつき

3月3日は「桃の節句」とも呼ばれます。
桃色(ピンク)は、魔除けと再生の色。
古代中国では桃の木は邪気を祓う神聖な木とされ、
日本でも桃の花を飾る習慣が生まれました。

この思想が雛あられにも引き継がれ、
春=桃色=生命の芽吹きというイメージとともに、
女の子の健やかな成長を祝う儀式の象徴として定着したのです。

地域によって違う“雛あられ”の姿

関東と関西では、雛あられの形状が異なります。

  • 関東風:ポン菓子のような小粒の米粒状。甘くて軽い。
  • 関西風:餅を砕いて揚げたあられ。しょうゆ味で香ばしい。

いずれも、米という“生命の源”を祝う食べ物であり、
「子どもが一年を元気に過ごせますように」という祈りを込めた点は共通しています。

まとめ

雛あられの色ごとに意味があるのは、
四季・方角・五行のバランスを通じて子どもの成長を願うためです。

  • 白・ピンク・緑・黄=自然の四季を表す
  • 五行思想の色に通じる生命エネルギーの象徴
  • 桃の節句の“魔除け”と“再生”の祈りを込めた縁起菓子

雛あられとは、単なる可愛いお菓子ではなく、
自然の力をいただき、一年の健やかさを祈る文化の結晶なのです。

記事URLをコピーしました