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豆知識

ジャック・オ・ランタンは元々カブだった?かぼちゃに変わった理由

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ハロウィンといえば、かぼちゃをくり抜いたジャック・オ・ランタン
しかし、その起源をたどると、もともとはカブ(または蕪)で作られていたことをご存じでしょうか。
なぜ素材がカブからかぼちゃへと変わったのか――。
その背景には、伝承の故郷と新大陸の風土の違いが関係しているのです。

ジャック・オ・ランタンの起源はアイルランドの伝承

「ジャック・オ・ランタン(Jack O’Lantern)」の名は、
アイルランドやスコットランドに伝わる民話「けちなジャック(Stingy Jack)」に由来します。

物語では、悪魔をだました男ジャックが死後に天国にも地獄にも行けず、
暗闇の中をさまようことになります。
彼は悪魔からもらった地獄の火(炭)をカブの中に入れ
ランタン代わりにして永遠に彷徨った――これが伝承の始まりです。

つまり、最初の“ジャック・オ・ランタン”はカブ製の提灯だったのです。

なぜカブが使われていたのか

当時のアイルランドでは、カブやルタバガ(スウェーデンカブ)が
秋から冬にかけて一般的に収穫される根菜でした。
柔らかくくり抜きやすく、保存もきくことから、
家庭でランタンを作る素材として身近だったのです。

また、ハロウィンの起源とされるケルトの祭り「サウィン(Samhain)」では、
霊が戻ってくる夜に悪霊を追い払う風習があり、
カブのランタンはその魔除けの象徴
でもありました。

アメリカ移民が“かぼちゃ”に出会う

19世紀、アイルランドやスコットランドから多くの移民がアメリカへ渡りました。
しかしアメリカでは、当時カブがあまり一般的ではありませんでした。
代わりに秋になると豊富に手に入ったのがかぼちゃ(pumpkin)です。

しかもかぼちゃは、

  • サイズが大きくて彫りやすい
  • 中身をくり抜きやすく、形が安定している
  • オレンジ色が「炎の光」と相性が良い
    という理由から、ランタン作りに最適な素材でした。

こうして、移民たちはカブの代わりにかぼちゃを使い始め、
それがアメリカ全土に広まっていったのです。

かぼちゃが“ハロウィンの顔”になった理由

アメリカでのハロウィンは次第に宗教的儀式から収穫祭+子どもの行事へと変化しました。
かぼちゃはその明るい色と豊かな収穫の象徴としてピッタリで、
やがて「ジャック・オ・ランタン=かぼちゃ」が定着しました。

メディアや映画でもオレンジ色のランタンが描かれるようになり、
20世紀には世界中で「ハロウィン=かぼちゃ」というイメージが広まったのです。

現代でも“カブのジャック・オ・ランタン”は残っている

現在でもアイルランドやスコットランドの一部地域では、
伝統を守ってカブやビートでランタンを作る風習が残っています。
その姿はかぼちゃよりも小さく、少し不気味な印象ですが、
まさに原点の「魔除けランタン」としての雰囲気を色濃く残しています。

まとめ

ジャック・オ・ランタンがもともとカブだったのは、
アイルランドの民話とケルト文化に由来しています。
そして新天地アメリカで入手しやすく加工しやすいかぼちゃに置き換わったことで、
今日の明るく親しみやすいハロウィンの象徴へと進化しました。

かつて悪霊を追い払うための小さなカブの灯りが、
今では世界中を照らす“オレンジ色の笑顔”になったのです。

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