歴代の新語・流行語大賞全まとめ/金賞~銅賞・トップテンを一覧で
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歴史の授業で「大坂の陣」と習った記憶がある人も多いでしょう。
現在の大阪はかつて「大坂」と表記されていましたが、なぜ「坂」から「阪」へ変わったのでしょうか?
その理由は意外にも「縁起の悪さ」にありました。
現在の大阪の地名は、もともと「小坂(おざか)」と呼ばれていました。
しかし「小」よりも「大」のほうが縁起が良いと考えられ、室町時代の僧侶・蓮如(れんにょ)が「大坂」と改めたと伝えられています。
以降、「大坂」という表記が広まり、江戸時代には一般的な名称となっていきました。
やがて幕末の頃から、「大坂」ではなく「大阪」という表記が使われるようになっていきます。その理由は、「坂」という字が不吉だとされたからです。
このように「坂」が縁起の悪い字とされたため、同じ意味を持つ異体字の「阪」が使われるようになったのです。
さらに、明治維新以降には「大坂」という表記に別のマイナスイメージが指摘されました。
こうした背景から、1868年(明治元年)、新たに発足した「大阪府」では正式に「大阪」という表記が採用されました。
実は「坂」と「阪」は、どちらも「さか」を意味する漢字で、意味的には違いはありません。つまり「大阪」に変わったのは、意味よりも「縁起の良し悪し」が決定的な要因だったのです。
「大坂」から「大阪」への表記の変化は、偶然や単なる書き換えではなく、人々が「縁起」を強く意識した結果でした。言葉の持つイメージや連想が、都市の名前すら変えてしまう――それが大阪の地名に隠された歴史なのです。