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豆知識

なぜルーターは“高所設置”が推奨されるのか?人体遮蔽とマルチパス

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Wi-Fiの通信が不安定なとき、「ルーターは高い位置に置くといい」と聞いたことがある人も多いでしょう。
しかし、なぜ高さを変えるだけで電波が届きやすくなるのでしょうか?
実はそこには、**人体や家具による遮蔽、そして電波の反射経路(マルチパス)**に関わる物理的な理由があるのです。

電波は「直進性」が強く、障害物に弱い

Wi-Fiの電波は、主に2.4GHzまたは5GHzという高周波帯を使用しています。
これらの電波は波長が短く直進性が高いため、壁や床などの障害物を透過しにくい性質があります。
つまり、ルーターを床や棚の下などに置くと、家具や人体に電波が遮られやすく、結果として通信が不安定になるのです。

高い位置に設置すれば、家具や人の頭部より上を通る経路で電波が伝わるため、遮蔽を受けにくくなります。

人体は意外と「電波を吸収する壁」

人体の約60〜70%は水分で構成されています。
水は電波を吸収しやすいため、人の体はWi-Fi電波にとって大きな障害物となります。
リビングの中心や床近くにルーターを置くと、人が通るたびに電波が遮られ、通信が途切れたり速度が落ちたりするのです。

そのため、壁際や高い棚の上など、人の動線から離れた位置に設置することで、安定した電波経路を確保できます。

「マルチパス反射」を抑える効果も

室内では、電波が壁・床・天井などに反射し、**複数の経路(マルチパス)**を通って受信機に届きます。
これらの信号がタイミングのズレを起こすと、干渉やノイズが発生して通信が不安定になることがあります。

ルーターを高所に設置すると、反射の影響を受けやすい床や家具から距離をとることができ、不要なマルチパスを減らせるのです。
特に5GHz帯は反射の影響を受けやすいため、高い位置ほど通信品質の改善が期待できます。

電波の「放射パターン」にも適した位置

Wi-Fiルーターのアンテナは、一般的に水平面方向に広がるよう設計されています。
そのため、床に置くと電波の大部分が下方向へ無駄に放射されてしまいます。
ルーターを棚の上などに設置することで、家全体に均等に電波が広がる理想的な放射パターンを確保できます。

アンテナが外付けの場合は、アンテナを垂直に立てることで水平方向のカバー範囲をさらに広げることができます。

まとめ

Wi-Fiルーターを高い場所に置くのが推奨されるのは、人体や家具による電波遮蔽を避け、反射や干渉(マルチパス)を減らすためです。
さらに、アンテナの放射方向にも合致し、家全体に電波が行き渡りやすくなります。
「高い位置に置く」は見た目以上に科学的な根拠のある設置方法であり、通信環境を最も効率的に改善できるシンプルな工夫なのです。

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