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豆知識

サグラダ・ファミリアが未完成の理由とは?140年以上工事が続く背景を解説

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スペイン・バルセロナにあるサグラダ・ファミリアは、ガウディの最高傑作として知られる世界的な観光スポットです。しかし、着工から140年以上経った今も工事中の姿がニュースやテレビで映し出されます。なぜこれほどまでに時間がかかっているのでしょうか。本記事では、長い工期の理由と工事を加速させた要因、そして完成に向けた最新情報を解説します。

建設に時間がかかっている主な理由

設計が極めて複雑だから

ガウディの設計は幾何学的な造形や自然を模した独創的なデザインが多く、図面だけでは職人が理解できず、模型を使って説明することもありました。
また、建設が進むたびにガウディ自身が設計を修正するため、工事は一層複雑化しました。ガウディは「神の家だからこそ妥協してはならない」と語り、徹底した姿勢で設計に臨んでいました。

設計資料の多くが焼失したから

1936年のスペイン内戦でガウディが残した設計図やスケッチの多くが焼失しました。残されたわずかな資料や模型をもとに、後世の建築家たちが再現を試みながら工事を進めています。

建設資金を寄付に頼っているから

サグラダ・ファミリアは「聖家族贖罪教会」という名の通り、信者からの寄付を資金源としています。資金が集まらなければ工事が止まるため、慢性的な資金難に陥り、ガウディ自身が寄付を募って歩いたこともありました。

工期を短縮できた要因

コンピューターや3Dプリンターの導入

1980年代以降、コンピューターによる設計技術や3Dプリンターが導入され、複雑な設計を効率的に再現できるようになりました。これにより、工期が大幅に短縮されました。

近代的な建設技術の採用

1990年代以降は鉄筋コンクリートが導入され、強度と施工効率が向上しました。ガウディの理念を尊重しつつ、適材適所で新しい建築技術が取り入れられています。

オリンピックで知名度が上がった

1992年のバルセロナオリンピックを契機に世界的な注目を集め、観光客が増加。拝観料収入や寄付が増え、資金面での安定が工事の加速につながりました。

サグラダ・ファミリアは違法建築だった!?

驚くことに、2019年までは正式な建築許可が更新されておらず、長年「違法建築」の状態でした。1885年に当時の自治体で許可を得ていましたが、その後バルセロナ市に統合された際に手続きが失われていたのです。
2018年、教会側が市に約3600万ユーロ(約47億円)を支払うことで合意し、ようやく合法的な建築物となりました。

完成予定と今後の見通し

2013年には「2026年完成予定」と発表され、ガウディ没後100年の節目を迎える年に完成が期待されました。しかし、新型コロナウイルスの影響による工事中断で、完成予定は延期されました。

最新の見通しでは、具体的な完成年は未定ながら、観光収入の回復と技術の進歩により、完成へ着実に近づいています。

おわりに

サグラダ・ファミリアが未完成であり続けた背景には、ガウディの妥協なき設計思想、戦争による資料の焼失、寄付に依存した資金調達といった複数の要因があります。しかし近年は技術革新や観光収入により建設は加速しており、完成の日は少しずつ近づいています。140年以上の時を経てようやく完成するその瞬間は、世界中の人々が待ち望む歴史的な出来事となるでしょう。

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