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豆知識

焼売の上にグリーンピースが載せられていた理由とは?彩りと食文化の時代背景

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かつて学校給食やお弁当の焼売といえば、上にちょこんとグリーンピースが乗っているのが定番でした。
最近では見かけることが減りましたが、なぜあの緑の豆が焼売の上に置かれていたのでしょうか?その理由には、見た目の彩りだけでなく、時代の食品事情が深く関係しています。

理由① 彩りを良くするための工夫

最も基本的な理由は、茶色い焼売に緑色のアクセントを加えるためです。
焼売は蒸すと全体が淡いベージュ色になり、弁当箱の中で地味に見えてしまいます。
そこで、緑色のグリーンピースを上に載せることで、見た目を鮮やかにして食欲を引き立てる効果を狙いました。

緑・赤・黄の3色が揃うと「三色の法則」で料理が美味しそうに見えるとされ、弁当文化の中ではこの“彩りバランス”が重視されていたのです。

理由② 冷凍食品や給食の利便性

昭和40〜50年代、焼売が家庭や給食で広く普及した背景には、冷凍食品の登場があります。
グリーンピースは冷凍しても形や色が崩れにくく、加熱後も視覚的にきれいに仕上がる食材でした。
そのため、メーカーは焼売の上にグリーンピースを載せてから冷凍することで、解凍後も“映える”状態を保てるよう工夫していたのです。

また、見た目で「これは焼売だ」とすぐ分かるようにする識別マークの役割も果たしていました。

理由③ “中華料理らしさ”を演出するため

当時、日本での中華料理のイメージといえば、色鮮やかで豪華なものでした。
グリーンピースはチャーハンや八宝菜などにも多く使われていたため、焼売に載せることで“中華っぽさ”を簡単に演出できたのです。
つまり、実際の中華本場にはない発想ながら、日本独自の中華イメージを作る役割を担っていました。

理由④ 次第に姿を消したのはなぜ?

平成以降になると、グリーンピースが子どもに嫌われる食材として知られるようになりました。
さらに、冷凍技術の向上で焼売自体の見た目が良くなり、彩りを豆で補う必要がなくなったこともあり、次第に省略されていきます。
現在では、家庭用やコンビニ商品の多くがグリーンピースなしで販売されています。

まとめ:グリーンピースは「昭和の彩りアイコン」

焼売の上のグリーンピースは、見た目を華やかにし、時代の技術や文化に適応した工夫でした。
彩りのバランス、冷凍食品の利便性、そして“中華風”の演出――それらが重なった結果、あの緑の豆が乗るスタイルが定番になったのです。
今では懐かしさを感じさせる存在ですが、グリーンピースは確かに昭和の食卓を象徴する小さな主役でした。

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