ひらがなの「そ」は1画?2画?書き方が2通りある理由と正解の有無を解説

みなさんは、ひらがなの「そ」をどのように書いていますか?
実はこの文字には、1画でZのように書く書き方と、最初に2点を入れてから下につなげる2画の書き方の2種類が存在しています。
「同じひらがなのはずなのに、なぜ2通りの書き方があるの?」「どっちが正しいの?」と疑問に思ったことはありませんか?
今回は、ひらがなの「そ」に2種類の書き方がある理由と、どちらが正しいのかについて解説していきます。
「そ」の元になったのは漢字の「曽」
そもそも、ひらがなの「そ」は漢字の「曽」を草書体(くずし字)にしたものが由来です。
漢字の「曽」の上部分には2つの点(「ノ」×2)がありますが、草書体ではこの2点がつながって1画になることが多くありました。
このように、草書では漢字を崩して書く際に形が大きく変化するため、「曽」→「そ」への変化でも、2画バージョンと1画バージョンの両方が生まれたというわけです。
書き方の違いは統一されないまま現代へ
問題は、その2通りの書き方が誕生したあと、どちらかに統一されることなく両方とも残ってしまったという点にあります。
その結果、現在に至るまで「そ」の書き方には明確な“正解”が存在していません。
つまり、「Z型に1画で書く“そ”」も「上に点を2つ書いてからつなげる2画の“そ”」も、どちらも誤りではないのです。
どっちが正しい?実は「どちらも正解」
「じゃあ、どっちを書けばいいの?」と悩むかもしれませんが、結論を言えばどちらの書き方も正解です。
というのも、ひらがなには常用漢字のように正しい“書き順”や“字体”が法律で定められていないからです。文化庁の『常用漢字表』などで細かく決められているのはあくまで漢字についてだけで、ひらがなの書き方に法的なルールは存在していません。
そのため、見た目で「そ」だと認識できれば、書き方に明確な優劣はないのです。
教科書では「1画のそ」が標準に
ただし、教育の現場では少し話が変わります。
学校教育では、ひらがなの書き方に一定の基準を設けて統一しておく方が、子どもたちが混乱しにくくなります。
そのため、現在の小学校の教科書では「1画でZのように書くそ」が一般的に採用されています。
これはあくまで教育上の都合によるものであり、2画の書き方が間違いというわけではありません。
おわりに
「そ」の書き方に2通りある理由や、どちらが正しいのかについておわかりいただけたでしょうか?
実は他のひらがなでも同じように成り立ちから複数の書き方が残っているものがあります。
この機会に、自分が普段使っているひらがながどんな漢字をもとに生まれたのかを調べてみると、文字に込められた歴史や文化を知るきっかけになるかもしれませんよ。





