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豆知識

なぜ日本の郵便番号は7桁なのか?配達精度と地域細分化の進化

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住所を短縮して伝える便利な番号——郵便番号
かつては3桁や5桁でしたが、現在の日本では7桁が当たり前になっています。
なぜ7桁という中途半端な数字になったのでしょうか?
この記事では、郵便番号が7桁に決まった理由を、配達精度・機械処理・地域設計の観点から解説します。

理由①:3桁では“地域を特定できなかった”

日本の郵便番号制度は、1968年(昭和43年)に始まりました。
当初の郵便番号は3桁(後に5桁化)で、都道府県や主要都市ごとに割り当てられていました。

しかし、都市部の人口増加や町名変更により、

  • 同じ郵便番号に複数の町が該当する
  • 配達区域を特定できず、手動確認が必要になる
    という問題が増加しました。

つまり、旧体制では「郵便番号だけで住所を特定できない」という限界に達していたのです。

理由②:7桁化で“町域レベル”まで特定可能に

1998年(平成10年)、郵便番号は7桁制へ全面移行されました。

この拡張により、

  • 最初の3桁 → 広域(都道府県・市区単位)
  • 後ろの4桁 → 町域・丁目・大字レベル

と、より細かく地域を識別できるようになりました。

たとえば:

  • 100-0001 → 東京都千代田区千代田
  • 100-0014 → 東京都千代田区永田町

このように、7桁化によって同じ市区内でも異なる町ごとに固有の番号が付けられ、
郵便番号だけで住所を一意に特定できるようになったのです。

理由③:機械仕分けの“精度向上”が目的だった

7桁化の背景には、郵便局の自動仕分けシステムの進化があります。

従来は郵便番号を人が見て振り分けていましたが、
光学読み取り機やバーコード仕分け機が導入されることで、
「番号だけで配達先を自動判断できる」ようになりました。

桁数を増やすことで、

  • 機械が正確に配達ルートを特定
  • 手作業による誤配や遅延を削減
  • 一日あたり数千万通の処理を高速化

といったオートメーション化の基盤が整えられたのです。

理由④:都市の“町丁目”を細かく識別するため

7桁の後半4桁部分は、地域の細かさに応じて割り当てられています。

区分割り当て範囲
100-0001千代田区千代田町域単位
100-8799特定の事業所企業・官公庁専用番号

特に都市部では、1つの丁目ごとに郵便番号が設定されており、
高層ビルや商業施設には専用番号が与えられるケースもあります。

この細分化によって、

  • 配達ルートの最適化
  • ビル内ポストへの自動仕分け
    が可能となり、業務効率が飛躍的に向上しました。

理由⑤:7桁は“情報量と効率”の最適バランス

郵便番号の桁数は、情報量(区分可能な数)と扱いやすさのバランスで決められています。

3桁 → 最大1,000通り
5桁 → 最大100,000通り
7桁 → 最大10,000,000通り

7桁にすることで、日本全国の町域・大口事業所をすべてカバー可能となりました。
同時に、番号が長すぎて入力ミスが増えることもなく、
「覚えやすく、打ちやすい」実用的な長さとして設計されています。

理由⑥:郵便以外の“データ管理”にも応用されている

7桁郵便番号は、郵便配達だけでなく、

  • ネット通販の配送システム
  • 住所入力フォームの自動補完
  • 統計・マーケティング分析
    など、地理情報の標準コードとしても活用されています。

つまり、郵便番号は物流・データ社会の共通インフラになっているのです。

理由⑦:海外でも“桁数は制度の精度に比例する”

日本の7桁郵便番号は、国際的にも精密な部類に入ります。

桁数特徴
アメリカ5桁(+4桁拡張)地域+街区単位
イギリス6〜7桁建物・通り単位まで特定可
日本7桁丁目・事業所レベルまで特定可

つまり、桁数が多い=地域特定の精度が高いという傾向があり、
日本は人口密度の高さと都市構造に合わせて「7桁」が最適だったのです。

まとめ:7桁は“人と機械の両方にやさしい最適解”

日本の郵便番号が7桁になったのは、

  • 町域レベルまで精密に住所を特定するため
  • 自動仕分けシステムで誤配を防ぐため
  • 情報量と扱いやすさのバランスを取るため

という理由によるものです。

つまり「7桁」は、
人が扱いやすく、機械が正確に処理できる“ちょうどよい数字”なのです。

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