ネット広告はなぜ好みを知っている?Cookieとターゲティング広告の仕組み

ネットで一度検索した商品が、なぜか別のサイトでも広告として表示される──そんな経験はありませんか?「私の行動が知られているのでは?」と思う人もいるでしょう。この記事では、ネット広告がなぜ好みに合わせて出てくるのか、その仕組みをCookieとともに解説します。
ネット広告の仕組みとは?
私たちが目にする多くの広告は「ターゲティング広告」と呼ばれる仕組みで配信されています。
ターゲティング広告では、利用者が過去に閲覧したサイトや位置情報などをもとに「この人はこの商品に興味がありそうだ」と推定して広告を出します。
そのため、ドールハウスを検索した人の画面には、数日間ドールハウス関連の広告が表示され続けることになるのです。
そもそもCookieとは?
Cookieとは、Webサイトがブラウザを通じて利用者の端末に一時的に保存する情報ファイルのことです。
- ログイン状態を維持できる
- ショッピングカートに入れた商品を保存できる
といった便利な役割を果たしています。
ただし、サイト運営者とは異なる第三者(広告会社など)が利用するサードパーティークッキーでは、閲覧行動が広告配信に利用されることがあります。
広告とプライバシー問題
サードパーティークッキーによるターゲティング広告は便利な一方、プライバシー侵害の懸念もあります。
- EUでは2018年に「GDPR」で規制を強化
- 日本でも2019年に公取委が規制の方針を公表
現在はAppleのSafariでサードパーティークッキーが制限され、Googleも段階的に廃止を進めています。代替として、AIを活用した「個人を特定しない広告技術」の開発が進められています。
Cookieを許可するべき?
Cookieは完全に悪者ではなく、私たちの利便性を高める役割も担っています。
ただし、不要な追跡を避けたい場合はブラウザの設定で制御が可能です。
- ログインやカート保存に便利 → ファーストパーティークッキー
- 広告追跡に使われる → サードパーティークッキー
この違いを理解したうえで、Cookie許可のポップアップに対応することが大切です。
ネット広告のこれから
ネット広告は1990年代に登場し、今やテレビや新聞に並ぶ巨大市場へと成長しました。今後は、プライバシーに配慮しつつも精度の高い広告が主流になると予想されます。
消費者にとっては「便利さ」と「プライバシー保護」のバランスを意識することが、これからのネット生活に欠かせない視点となるでしょう。