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豆知識

なぜ洗車機はミラーを“たたむ指示”を出すのか?ローラー干渉と破損防止の仕組み

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ガソリンスタンドの洗車機に入ると、必ずと言っていいほど「ドアミラーをたたんでください」という案内が表示されます。
自動車のミラーは折りたためる構造になっていますが、なぜそこまで強調して“たたむように”求められるのでしょうか?
実はその理由は、洗車機のブラシ構造とミラー形状の関係にあります。
この記事では、洗車機でミラーを格納すべき理由を、物理的・機械的・安全性の観点から解説します。

洗車機の構造:回転ブラシが車体を包み込むように動く

一般的な門型洗車機(ガソリンスタンドなどに設置されているタイプ)は、
上下・左右・天井の3方向から回転ブラシが車体に沿って動く仕組みになっています。

とくに側面ブラシは、車体側面を押さえるように回転+前後移動を同時に行うため、
ドアミラーのように張り出したパーツがあると、ブラシと干渉してしまいます。

つまり、ミラーをたたむよう指示されるのは、
「ブラシがスムーズに車体をなぞれるようにするため」の設計上の配慮なのです。

ミラーを出したままだと起こるトラブル

もしミラーを出したまま洗車機に入れると、以下のような問題が起きる可能性があります。

  • 回転ブラシがミラーを押し上げ、角度がズレたり破損する
  • ブラシがミラーに引っかかり、モーターや軸が損傷する
  • ミラーの隙間に水が強く入り込み、内部のモーターや配線がショートする

近年のミラーは自動格納・電動調整など精密な構造を持つため、
物理的な衝撃や水圧に弱く、一度の洗車で故障するリスクもあります。

洗車機メーカーの安全基準にも“ミラー格納”が明記されている

洗車機を製造する各メーカー(ENEOS、TAKAGI、ミニストップ等が採用するコイン洗車機など)では、
取扱説明書や警告ステッカーに「ドアミラーを格納してご使用ください」と明記されています。

これは法的義務ではなく、機械側の安全運転条件として設定されているもの。
万一ミラーを開いたまま破損しても、メーカー側は「指示不履行による事故」として補償の対象外とするケースが一般的です。

ミラーをたたむとブラシの動きが安定する

ミラーをたたむと、車体の横面がほぼフラットになります。
これにより、ブラシが滑らかに横移動できるため、

  • 均一な圧力で洗える
  • 泡や水流の乱れが減る
  • ブラシの偏摩耗を防げる

といった洗車品質の安定化にもつながります。

つまり、ミラー格納は単なる「破損防止」ではなく、洗車機そのものの性能を最大限に発揮させるための前提条件でもあるのです。

手洗い洗車では“たたまなくてもOK”な場合も

一方で、スタッフが行う手洗い洗車では、ミラーを開いたまま洗うこともあります。
これは、手作業でブラシを制御できるため、ミラーを避けながら洗えるからです。

しかし機械式では、動作範囲や圧力が自動制御されているため、
少しでも突起があると「障害物」として誤動作や引っかかりを起こす可能性が高いのです。

最近の洗車機には“ミラー検知機能”も

最新型の洗車機では、赤外線センサーなどで車体形状をスキャンし、
ミラーの位置を自動的に回避するシステムも登場しています。
ただしこれは主に高級車ディーラーや大型施設向けで、
一般的なセルフスタンドの洗車機では、まだ多くが手動対応(=ユーザーがたたむ方式)です。

まとめ:ミラー格納は“機械を守る”より“あなたの車を守る”ため

洗車機で「ドアミラーをたたんでください」と案内されるのは、

  • ブラシがミラーに接触して破損するのを防ぐため
  • 均一な洗車圧でボディを仕上げるため
  • 水圧・衝撃によるミラー内部破損を避けるため

という明確な理由があります。

つまり、これは洗車機側の都合ではなく、あなたの車を守るための設計上のお願いなのです。
ほんのひと手間の“ミラー格納”が、故障トラブルを防ぐ最も確実な安全策といえるでしょう。

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