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豆知識

なぜトイレの個室は床が見える隙間があるのか?占有確認と防犯

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公衆トイレや商業施設のトイレを見ると、ドアの下に少しだけ空いた隙間があります。
完全に仕切ったほうが落ち着きそうなのに、なぜわざわざ床が見える構造にしているのでしょうか?
実はこの隙間には、防犯・安全・維持管理の3つの目的が隠されています。

隙間は“使用中かどうか”を判断するため

最も基本的な理由は、個室の使用状況を外から確認できるようにするためです。
個室が閉まっていても、床の隙間から人の足や影が見えれば「使用中」だとすぐわかります。
これにより、ドアをノックしたり試しに開けようとする行為を減らし、
利用者同士のトラブル防止につながります。

特に駅や商業施設など、人の出入りが多い場所では、
短時間で使用状況を把握できることが回転率と快適性の両立に貢献しています。

防犯・事故対応のための“覗ける高さ”

個室の床下が完全に密閉されていると、
中で体調を崩した人がいても外から気づけないという危険があります。
一方、床に10〜20cmほどの隙間があれば、
倒れている足が見えたり、声をかけたときに反応の有無を確認できます。

また、防犯面でも重要です。
公共トイレでは不審行為や長時間の占有を防ぐため、
内部の様子が“わずかに見える程度”の開放性を保つことが求められています。
完全密閉型にすると、犯罪やいたずらの温床になりかねないのです。

掃除や換気の効率を上げる目的も

床に隙間があることで、清掃員がモップや水を流して掃除しやすくなります。
水や洗剤が個室の外に流れやすく、汚れも溜まりにくい。
さらに、空気がこもらず臭気が抜けやすくなる換気効果もあります。

特に多目的トイレやビルの共用部などでは、
衛生管理上「通気性のある構造」が推奨されており、
下部開口は空調設計の一部として扱われています。

海外では“上も下も開いている”のが主流

アメリカなどの公衆トイレでは、
ドアの上下だけでなく左右にも隙間があるタイプが一般的です。
これは防犯性を重視した設計で、
「誰かがこもってもすぐ気づける」「異常時に外から救助できる」
といった理由によるものです。

日本ではそこまで開放的な構造は少ないですが、
安全面・防犯面の思想は共通しています。

完全密閉型トイレが採用されるのは限定的

ホテルや高級商業施設など、
プライバシーを最優先する空間では完全密閉型も採用されます。
ただしこの場合でも、非常時開錠装置やセンサー監視などが必ず備えられ、
安全面の代替措置が取られています。

つまり、「隙間がない=安全性が低下する」ため、
一般的な公共施設ではあえて開けておく設計が最適解なのです。

まとめ

トイレの個室の床に隙間があるのは、
占有確認・防犯・換気・清掃といった多面的な理由からです。
完全に閉じた空間よりも、
“最低限見える”“空気が通る”ことで安全性と衛生性が高まる
あの小さな隙間は、プライバシーと公共安全を両立させるための人間工学的デザインなのです。

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