毎年春になると、天気予報で桜の開花予想が紹介されます。
地域による差はあるものの、同じ地域の桜は毎年一斉に花が咲きます。
たくさんの桜の木があるのですから、咲くタイミングはもっとバラバラでもおかしくないのに、なぜ同じタイミングで一斉に花が開くのでしょうか。
桜はすべてクローンだから
結論から言うと、一斉に花が咲く理由は、日本の桜のほとんどが「ソメイヨシノ」という品種だからです。
このソメイヨシノは、自然交配できない「自家不和合性」という性質を持っています。そのため、ほかの植物のように自分自身で交配して増やすことができません。
よって、現存するソメイヨシノは、江戸時代に作られた品種を接木や差し木することでしか作れないため、すべて同一の遺伝子を持っているのです。
同一の遺伝子を持つ個体は、同一環境においては同じ振る舞いをするため、同じ地域の桜は一斉に咲くことになります。